2014年1月12日日曜日

広東語と動物

香港の地名や広東語にはよく動物が出てくるな~と思います。
たとえば地名だと、「牛頭角」(アウタウコック)とか
「馬鞍山」(マーオンサン)、「馬料水」(マーリゥソィ)などなど。
日本の場合は植物の名前がよく使われますよね。
「桜ヶ丘」「梅林」「笹塚」とかね。住んでるひともいい気持ですよね。
さっきの「馬料水」(マーリゥソィ)なんてところにはあまり住みたいとは思えませんね。

地名以外にも広東語ではよく動物が出てきます。
「㣭豬」(ソージュー) アホ
これはよく聞きますね。親しい間柄で親しみを込めて使うことが多いです。
「オマエ、アホやな〜」的な。
だいたい猪(広東語ではブタの意味)はアホの代表格として扱われますから
何であれ「ジュー」と言われたらそういう意味だと思ってください。
次に「蛇」ヘビです。
「人蛇」(ヤンセー)は密入国者 …梅図かずおのヘビ狂女じゃないですよ〜
「蛇頭」(セータウ)は密入国手配者
「放蛇」(フォンセー)はおとり捜査
やっぱヘビだけのことはあって、闇っぽいことに使用されますね。
以前は密入国が多かったので、昔は映画なんかでも頻繁に出てくる言葉でした。
つづいて・・・
「馬仔」(マージャイ) 使いの者、パシリ
「鬼馬」(グァイマー) 抜け目ないヤツ(結構ホメ言葉)
馬はパカパカと走り回るイメージね。
「為食猫」(ワイセックマウ)食いしん坊
「水魚」(ソィユー)騙されやすいヤツ
「癲鶏乸」(ディンガイナー)狂ったメンドリ ヒステリーの女性
「金魚佬」(ガムユーロウ)変態おやじ
どんどん品がなくなってきました・・・
「蚊型公司」(マンイェンゴンスー)蚊のように小さい規模の会社
「拍烏蠅」(パックウーイェン)商売あがったり ヒマでたかってくるハエを追っ払っている様子
「鶏同鴨講」(ガイトンアップゴン)話が通じない
などなど・・・本当に動物が出てくる言葉はたくさんあります。

こういう言葉を聞いているだけで広東語ってすごい生っぽいというか
しゃべり言葉の文化だな~と感心するのです。

マイケル・ホイ先生の映画でもよく出てきます。
映画の題名からして「鬼馬双星」「鶏同鴨講」ですからね。


 

1988年作品
ダック屋のマイケルがファーストフードのフライドチキン屋
と闘うストーリーです。

1974年作品邦題Mr.Booギャンブル大将
ムショで知り合ったギャンブラーのマイケルと阿Samが
イカサマのあの手この手を使ってカジノ荒し・・

2014年1月11日土曜日

広東語と声調

広東語には9声あります。
1声 (呼び名)高平 高いところでまっすぐのばす 
2声 高上 中の高さから1声のところまであがる
3声 高去 中の高さでまっすぐのばす
4声 低平 低い位置からさらにもう少し低めになる
5声 低上 低から3声まであがる
6声 低去 低の位置でまっすぐのばす
7声 1声の軽声
8声 3声の軽声
9声 6声の軽声











声調というのは最初に学習するときうまくできないし、なんか楽しくないし
でおそろかにしがちなんですが、広東語の場合、この声調がかなり大事
なんで、なんとしても習得してください。

普通語の4声にくらべ各音の差がはっきりしていないので、日本人には本当に
難しいです。逆に声調さえマスターしてしまえば、発音そのものはそれほどむずかしくない
のが広東語です。普通語のような巻き舌もなく、比較的カタカナ読みでも通じます。

上の表をみながら、「マー」の音でリズムよくやってみてください。
歌みたいにしておぼえるといいですよ。
↓ 下のリンクで確認してみてください。
 http://youtu.be/1lW6GJvQF3A
 


単語でその違いをみてみると・・・

膠袋 ガウ1ドイ2 ビニール袋
交待 ガウ1ドイ4 申し述べる

黐線 チー1シン3 アホ!
慈善 チー4シン6 慈善 まちがえたら大変ですね~(*_*;

新鮮 サン1シン1 新鮮
神仙 サン4シン1 神仏

胡椒 ウー4ジゥ1 胡椒
護照 ウー6ジゥ3 パスポート

ねっ、全然違ってしまうでしょ。

”慈善機構”(慈善団体)にまちがって、”黐線機構”(アホ団体)なんて
言ってしまうハメになってしまうので、コワイです・・・



 

2014年1月8日水曜日

縁起のいい広東語

広東人はとにかく縁起がいいことにこだわります。
日本人もそうでけど、まあ四とか九とか数字をなるべく使わないようにするぐらいですよね。
でも彼らのはこだわりすぎのような気が・・・
4階、13階のないビルはあたりまえ、ヤサイの名前とかまで変えてしまうんですから。

例えば、
ニガウリ もとの名前はその字のまま苦瓜(フーグゥァ)なんですが、
この苦が縁起悪いということで、涼瓜(リョングゥァ)。
絲瓜(シーグゥァ)の絲が負けるの輸に音が似ているため、勝瓜(セングゥァ)。
といった具合です。

これ以外にも
占い書の通書、書の発音が同じく負けるの輸と同じのため、通勝(トンセン)
ブタのタン、猪舌の舌が損するの蝕(シッ)と同じのため、猪脷(ジューレイ)など。

もちろん本当に亡くなった場合なども、「死咗(セイジョー)」(死んだ)などと
直接的な言い方はかなりのタブー。
普段は細かいことは気に留めない香港人ですが、これだけは絶対に避けてください。
友人失います。軽蔑されます。一生忘れてもらえません。
では、なんと言ったらいいのでしょうか?
「走咗(ジャウジョー)」です。
通常は帰ったよ、去って行ったよ、という意味に使いますが、ここではつまりソノ意味。

今日は30年ぶりのクラス会です。
みな50過ぎて、おう久しぶり~なんて挨拶して。
で、あいつはどうしてる?
あなたは「彼はアメリカに行っちゃったよ」のつもりで、「佢走咗」と答えます。
そこで同級生全員固まる・・・「えっ・・?アイツ・・まさか・・」
というような誤解が生じてしまうのですよ。
あなたはその空気を読んで、こう言います。「死了!(セイラ~!)」(シマッタ~の意)
おーっと、さらにまぎらわしい。

でもみんないつも使ってるじゃないこの言葉!
どーいうこと?!

2014年1月7日火曜日

不動産の広東語

今回はいきなりですが、不動産の広東語です。

私は香港にいる18年の間、今住んでいる家で9軒目です。
部屋借りるのはもちろん、不動産の売買も数回経験しています。
一時不動産物件めぐりを趣味(?)としていたことから、
ほぼ香港全域の物件の情報が頭に入っております。(*^_^*)

香港では私のような人は珍しくなく、だいたい数人の香港人が集まると
不動産の話になります。
今売り出しの新築物件、あんな立地で新築だっていうだけであの値段は高いとか
今月は売買成約数が落ちているとか、あのマンションの間取りは使いやすいとか
とにかくみんなよーく知ってます。
投資目的で買う人も多いですし、なにせ香港は狭いから住宅の供給も限りあり
おぼえるのも簡単なんですよね。

毎週週末には不動産情報の雑誌が新聞の付録でついてくるので
情報はいつも最新です!

で、今回はこの不動産広告に載っている広東語を見てみましょう。

手元にあった雑誌の写真です。


コラムの一番上はマンションの名前
その下は面積 香港では平方フィートを使います
そしてこの物件の説明文
一番下は値段
 
例)
華富閣 (マンション名)
實:479尺(実際面積479平方フィート)
建:589尺(建築面積589平方フィート)
有匙海景 (鍵あり、シービュー)
410萬 (410万香港ドル)
 
という具合です。
 
 



まず、この面積の實と建とは何かといいますと、建築の場合は共有部分の廊下やロビー、
階段なども含んだ面積(つまり住めない部分だけど計算に入ってるのです)
實は本当にその物件自体の面積です。
実はつい最近までこの件建築面積しか表示されていいませんでした。
で、ディベロッパーの誇大表示がエスカレートしていき
今では實をのせることが義務付けられるようになったのです。

本日の本題は、これではなくて、マンションの説明文についてです。
これが解読できるようになったら、あなたも立派な香港人!

さきほどの例を見てみましょう。
「有匙」鍵ありとはーー不動産屋に鍵が預けられていて、空き部屋になっている。すぐ見れるよ
という意味なのです。

他にも見てみると、
「上車首選」--上車とは車に乗るという意味ですが、ここでの車は不動産のことで、
つまり物件を手に入れるの意味。お買い得、安い、初めて購入するならこれ、みたいな意味です。
「吉」--これは空き部屋になっているという意味。本来なら空きは”空”ですが、この発音が
”凶”と同じなので縁起悪いとされ、「吉」と言うのです。これよく使います。
「交吉」ーーつまり部屋を空けて渡してください
「則皇」--とてもよい間取り
「獨家」--その不動産屋でしか扱ってない物件
「池景」--プールが見える景色
「靚装」--きれいな内装
などなど。

ただ今は不動産があまりにも値上がりしてしまって庶民にはかなりツライ状況なんです・・・
政府もいろいろ策を講じてたぶん今年のうちに10~20%くらい下がるだろうと言われていますが、それでもこのボロさでこの狭さでこの値段か・・・と思います。
狭いところにいっぱい住んでいるから仕方ないですけどね。


2014年1月5日日曜日

広東語らしい広東語

広東語は日本語でいうところの関西弁みたいなノリがあって、
いわゆる”しゃべり言葉”なので、本当に香港に住んで
この土地の文化や習慣に触れていないと、習得は難しいと思います。
それが地方方言の良いところなのですが、メディアの発達や社会の変化とともに、
そういった方言の特徴が次第に薄れていくのは避けられないことのようです。
今の香港の広東語は昔に比べかなり”洗練”(?)されてきて
、”柄の悪さ”(失礼!)が特徴の広東語らしい表現が薄れてきたような気がします。
私が広東語のお手本としてあがめている師匠は、かの「Mr.Boo」こと、
マイケル・ホイ先生ですが、彼の描く香港人、彼が話す広東語こそ、
正統なる香港人のそれであると信じて疑いません。
彼の作品は70年代、80年代が黄金期ですが、その中でも傑作中の傑作
「半斤八両(邦題Mr.boo!)」「賣身契(邦題Mr.Boo!インベーダー作戦)」
であります。
彼の弟で当時香港ポップス界のスーパーアイドル、サミュエル・ホイが歌った
カバー曲「半斤八両」の歌詞は広東ポップスの最高傑作に位置づけられています。
(はい、私が勝手に位置づけています(>_<;))
この歌詞は広東語を学習する者の必須課目であり、その中身の濃さに感慨ひとしおです。
で、ちょっとここでこの歌詞をご披露させていただきたいと思います。

我地呢班打工仔 おれたちしがないサラリーマン
通街走羅直頭系壞腸胃 もう働きすぎでクタクタだ
搵個些少到月底點夠駛(歪過鬼) 稼ぎは少なく月末までもたない(雀の涙)
確係認真濕滯 ホントにいやになる

最弊波士郁嘀發威(顛過雞) 最悪なことに上司はいつもいばりちらして(サカリのトリよりひどい)
一味系處系唔系亂0黎吠 何かにつけて吠えまくる

 0翳親加薪塊面0拿起惡睇(扭嚇計) 昇給要求すればしかめっ面(こっちだって)
你就認真開胃 お前はホントにいい気なもんだなって

(半斤八兩)做了只績0甘0既樣 (世間はそんなもんさ)とにかくまじめに働いても
(半斤八兩) 濕水炮仗點會響 (世間はそんなもんさ)不満があってもじっと耐え

(半斤八兩)夠疆呀楂槍走去搶 (世間はそんなもんさ)強盗する勇気もなし
出0左半斤力 想話羅番足八兩 それなりの見返りを期待しても
家陣惡搵食 世の中景気が悪いんだよ

邊有半斤八兩0甘理想(吹漲) そううまくはいかないんだよ(まったく!)

あえて直訳ではなく、その歌詞の裏に秘められた本当の意味を
あらわすように訳をしました。
いくつか詳細を書いていきたいと思います。

打工仔(ダーゴンジャイ) これは今でもよく使います。勤め人の意。
香港人は能力のあるヤツは独立して自分で商売するもんだと思っているので
勤め人=能力ないヤツ的な図式があります。
この”打工仔”を使う時は特にこの意味あいが濃く、
人に使われている立場の人間であることを卑下した言葉です。
半斤八兩(ブンガンバッリョン)五分五分、同等という意味
1斤は16両なので、半斤は8両です。
この映画と歌詞になぜこの半斤八兩という言葉を使っているのかというと
この歌詞の部分でわかります。
出0左半斤力 想話羅番足八兩 半斤の力を出して、八両もらおうっていうのか
邊有半斤八兩0甘理想 どこにそんな同等の世界があるんだよ
なるほど、いつの時代も同じですね。
世の中に認められるには、給料以上の仕事をする必要がある、ということか・・・うーん、テツガク的。
吹漲(チョイジョン) 頭に来る、腹が立つの意味。
同様の意味で通常会話で使われる”激死!(ゲッッセイ)”というのがありますが、
この吹漲の方が程度がシリアスなカンジです。

ちょっと長くなりましたが、今日はここまで。この後も続けていきたいと思います。
では最後にyoutubeのリンクを貼りつけておきますので、阿Sam(サミュエル・ホイ)の歌をお楽しみください!

2014年1月4日土曜日

ネイティブに近づく発音

香港にいる大陸の中国人、彼らはあまり地方方言の広東語を話たがりませんが、流暢に話す人も多いです。
しかし、一瞬でネイティブでないと見破られる発音があります。
それは広東語特有の"入声"と呼ばれる音です。
これは日本人も苦手としているので、注意しましょう。

入声とは、単語の語尾がt,p,kで終わるもの。
たとえば、八--bat(バッッ)  入--jap(ヤップ)  百--bak(バック) などです。
この最後の消えいるt,p,kの音をきちんと発音できることがネイティブに近づくポイントです。ちなみに普通語話す人は、これらの音が入らず、すべて長く伸ばしたような発音をします。たとえば、八はbaa(バー)、入はjaa(ヤー)、百もbaa(バー)となります。

それと、もう一つ語尾がm,nで終わる単語も要注意です。
たとえば、三。この発音はsam(サーム)ですが、これがsan(サーン)になる。
これも大陸の人がよくやる間違えです。

今や大陸からの観光客なしでは存続していけない香港ですが、心の中ではみなちょっと差別しています。いわゆる"イナカモノ"と思っているんです。
大陸の人も差別されないようにと、広東語をガンバって習得するのですが、
もともと方言である言語ゆえ、普通語のように体系化されておらず、ヨソ者が習得するのが困難な言語となっています。
(ほら、朝の連ドラでヒロインが必死に地方の言葉を練習して話すんだけど、ネイティブの人が聞いたら吹き出しそうな発音になってる、アレです)

で、香港人は広東語ネイティブじゃない人間をそれぞれの発音のクセで判断します。
あ、こいつは大陸の人間、マカオの出身、広東省の広東人、香港人だけどアメリカとか海外で教育受けた人、などなど。
私の場合は…結構ハテナマークになっているようです。
初対面で話しながら、相手の香港人が次第に上記の探るモードになっていくのがわかり、ただ結論が出せないでいるカンジが伝わってきて、かわいそうになるのでこちらから、私は香港人じゃないから、と言うと相手はホッとして出身を聞いてきます。
で、日本人というとみな一様に「すごーぃ!あなたの広東語はバツグンだねー!」と本当に心底おどろいて、感心してくれます。
なぜって、彼らの中では、日本人っていうのは語学が超ヘタと思われているから・・・(*_*;

それと、彼らも広東語がいち方言にすぎないと思っていて、一方愛する母国語であり、それを外国人が習得してくれている、ということがかなりうれしいのであります。
例えば、関西弁のうまい外人に会ったら関西の人かなり喜びますよね。
それに近いノリです。



広東語をうまく話すコツは?

と聞かれたら、間違えなくそれは「発音」と答えます。
広東語は発音命(いのち)の言葉です。それと「声量」です。
つまり正しい発音ででっかい声でしゃべる、これにつきます。

まだ香港に来たてのころ、よくミニバスに乗りました。
このバスには停留所というものが決められていなく、客は降りたい時に運転手に「〇〇で降ろして」と言うのです。
当然のことながら広東語しか通じず、しかも運ちゃんたちは一様に柄がよろしいという方々ではないため、ちょっとでもわかりにくいことを言うと
「はぁぁぁ~っつ?!」と聞き返されます。
なんもそんなえげつない反応せんでもと思うのですが、ともかく通じず”無視”され適当なところで降ろされるという始末。
これが怖くて、何度バスを降りるタイミングを失ったか・・・
他の乗客が降りる時に後ろをついて降り、来た道をまたすごすごと引き返すありさま。

かくなるは、こちらもきちんと戦闘体制を整えてから乗り込むことに!
乗る前に家で練習です。
余談なのですが、このミニバスはだいたい降りるところにいくつかのパターンがあるのです。
よくあるのは、交差点のところで、橋の下で、ガソリンスタンドのところで、屋台のところで、
〇〇レストランのところで、などその道の目印になるところを言います。
で、私が降りたかった場所は交差点のところだったので「街口(ガイハウ)」というのうを練習しました。う~ん、これで何とか。
さてさて、再度ミニバスに挑戦です。
さあ、バスがそろそろ目的地にさしかかります、ここで一発!
「街口(ガイハウ)、唔該(ムゴイ)」
しかし・・・なぜかまた「はぁぁぁ~っつ?!」!
え~っつ、なんで~!通じないの~!(涙)
もう面目丸つぶれです。
えーい、こうなったらやけくそじゃ、今度は大声で
「街口(ガイハウ)!、唔該(ムゴイ)!」
すると運ちゃんが「おぅ、街口だな」と応答!
やったー、通じたー!

ここでの教訓。
「広東語はとにかく大声で」

今は広東語を話している時間の方が圧倒的に日本語より多いのですが
とにかく肺活量を多くつかって、口を大きくあけて話すくせがつきました。
そうしないと話せないのが広東語なんです。
広東人の顔は”エラ”が張っている傾向にあるのですが、これは言葉の発音とも関係があるのかもしれませんね。